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有毒医療排水無毒化機の試作1号機完成

文部科学省の私立大学等経常費補助金「大学院整備重点化経費」を得て、薬剤部・三洋電機とともに行っている「抗癌剤等を含む医療廃液処理法の開発研究」の成果をもとに、設計した装置の試作1号機が完成した。医療改革の流れは「在院日数の短縮による患者負担の抑制」に向っており、癌の化学療法も病院の化学療法センターにおいて外来通院で行うことになる。抗癌剤の廃棄については潜在的な環境負荷があるものと考えられ、抗癌剤を含む廃液の処理が検討されてきた。注射残液の廃棄については米国ではかつて燃焼法が推奨されていたが、液体の燃焼には莫大なエネルギーを消費し、大量の炭酸ガスやダイオキシンを発生することになる。そこで、酸化剤などを用いた廃液処理法が推奨されるに至ったが、薬液の調整に手間がかかり大量の廃液を処理するには無理がある。そこで、できる限り少ないエネルギーでしかも環境負荷の少ない処理方法を開発することを目的に研究が進んでいる。今後、この試作1号機を用いて化学療法センターの廃液処理に関するデータを集めることになる。