2002年のニュース
- 12月7日
第5回日本検疫医学会、盛会裏に開催
中野康夫(大阪検疫所長、教室OB)が標記学会を開催されました。当教室と本学衛生・公衆衛生学教室が後援させていただき、本学臨床第1講堂と第2講堂にて開催されました。一般演題として全国の検疫所より活発なご発表があったほか、教育講演『マリントキシン』(大阪府立公衆衛生研究所、濱野米一先生)、『ノーウォーク様ウイルス』(堺市衛生研究所、田中智之先生)、『HACCPによる食品の衛生管理』(大阪府立大学大学院、植村興先生)、特別講演『最近の細菌性腸管感染症』(大阪大学微生物病研究所 所長 本田武司先生)があり、有意義な学会でした。当日、当教室の中野講師、原田先生、藤岡主任技術員がお手伝いいたしました。十分なお手伝いは出来ませんでしたが、大阪検疫所所員の皆様のご活躍と中野所長のご指揮により盛会裏に終えられました。
- 12月3日
産学連携研究の成果を特許申請
2002年7月に開始した本学と三洋電機の共同研究(電気の発展的な医療応用)によって得られた研究成果を共同研究契約に従い両者合意のもと特許共同出願に至った。今後、早急に実用化研究を行うことが理想である。
- 7月1日
三洋電機との産学連携研究開始
1999年来、三洋電機と本学は研究委受託関係にあったが、研究成果の公表が難しく、広く社会に貢献することに困難を感じてきた。そこで、今回共同研究体制を採ることにより、研究成果を公表し科学的評価を受けることができるようにした。地球温暖化への対応のひとつとして炭酸ガス排出規制がある。医療分野では人命を重視するため地球環境保護施策の例外的聖域と考えられている。しかし、私たちは人類を守るための地球環境保護は聖域を持つべきではないと考える。そこで、様々な発電技術が発達するであろうことを前提に、電気を積極的に医療応用する方法を開発するプロジェクトを立ち上げた。本プロジェクトは1999年からの受託研究の延長線上にあり、その間に培ってきた様々なアイデアを実用化することを目的としている。プロジェクトの場所は大学院医学研究科微生物学講座の一室を提供して、企業側の技術員が研究生として常駐している。
- 6月11日
財団法人野口英世記念会より感謝状
毎年、学部学生を対象とした特別講義の講師として本学にご貢献いただいている大阪大学名誉教授加藤四郎先生より、「財団法人野口英世記念会に野口英世先生が研究された黄熱ウイルスの電子顕微鏡写真を提供してくれないか」との依頼を平成13年末に受けました。快くお引き受けしたものの、通常の方法では観察し難く、黄熱ウイルスの形態学的研究に関する文献も少なく、半年をかけてようやく電子顕微鏡写真のパネルを完成したしだいです。森田学内講師と藤岡良彦主任技師が中心となり、神戸検疫所 井村俊郎 検疫課長(学27期生、教室同門会会員)と国立感染症研究所神経ウイルス室 高崎智彦 室長(学31期生、教室同門会会員)のご助力を得て、どうにかやり遂げることが出来ました。5月初旬に野口英世記念会にお送りいたしましたところ、感謝状と野口英世博士の「忍耐の書」と「母君しか様の野口先生への手紙」のレプリカを頂戴いたしました。パネル右下には「大阪医科大学」と記しました。この写真は平成14年10月30日放送の『そのとき歴史は動いた 野口英世』(NHK総合テレビ)に資料として提供しました。
また、10月1日、厚生労働省大阪検疫所 中野康夫 所長(学16期生、教室同門会会員)のご提案と河野教授のご努力により、大阪検疫所高槻予防接種センターが本学共用会館(旧伝染病棟)内に設置されました。これは海外渡航予定者が交通の便のよい高槻で予防接種を受けることができるように配慮したもので、本学の社会貢献のひとつとして田中忠彌理事長の特別のはからいによるものであります。偶然にも8月に野口英世博士が千円紙幣の肖像として採用されることが決定されました。この紙幣発行に先立って、野口英世博士が研究された黄熱に関連する出来事が本学内にみられたことで、本学の将来が明るく照らされたような気がいたします。
以上、大阪医科大学学報より改変転記 - 4月1日
谷口博理君、横山勲君、大学院入学
谷口先生は大阪府吹田市の出身で、川崎医科大学附属川崎病院にて前期および後期の臨床研修を外科にて積まれ、感染症への興味から当講座の副手となった。6年に及ぶ臨床研修の中で、谷口先生が見出した問題点は彼自身のみならず医学が解決なければならない問題点でもあるとの認識から、細菌感染症の疫学研究をはじめている。今後の活躍を大いに期待するものである。また、横山先生は麻布獣医大学をご卒業後、獣医師としてご活躍中で、獣医師としての活動のなかで得た経験や知見を医学に応用するために大学院に入学した。少子高齢社会に必要欠くべからざるペット用小動物の健康を守るだけでなく、小動物から得られる科学的知見を医学分野にも役立てていただくよう期待しております。