粘膜疾患の微生物学的研究
細菌性胃潰瘍の発生機序を解明するために、胃粘膜疾患病原因子のひとつであるHelicobacter pyloriのコファクター(ウイルス)が存在するとの仮説のもと、微生物学的に研究しています。
細菌のナノトランスポーテーション・システムに関する研究
病原微生物その病原性を発揮するには一定の微小環境(生体臓器内の環境)が重要であるという認識から、細菌やウイルスから見た環境に注目して研究を進め、菌体外環境がコントロールする細菌細胞内に分子輸送システムが存在することを世界で初めて証明しました。『ナノトランスポーテーション・システム』とは、「細菌菌体の外部環境の変化によって調節される菌体内の物質輸送システム」のことです。この研究の進展には、細菌内部の超微形態を明らかにすることが必要であるため、細菌細胞内構造物を超微形態学的に観察する方法を確立したところです。
微生物のナノ解析
細菌の構造を明らかにする研究が途絶えています。新技術の開発や新たな細菌学研究分野の創出を図り、超微形態学を活かして細菌の解剖学にも着手し、宿主の環境としての微生物、そして微生物の環境としての宿主という多面的な視点から微生物のナノレベルの解析を行っています。