医学部医学科

医学部医学科では,医学概論(第1学年),病原体・生体防御1,病原体・生体防御2(以上第2学年),病原体・生体防御3(第3学年)の講義・実習・演習をおもに担当しています。

医学概論

「生きている」を見つめる医療医学は自然科学と人文・社会科学の間に位置し、医療や介護・福祉等にエビデンスや新しい手法を提供するもので、それ自体が単独で存在することはなく、諸学を基礎において(幅広い教養を身につけて)はじめて成り立つものであると考えることができる。本講では、日本国の医師法を参考に医学生の位置付けと医学の位置付けを明らかにする。それらの位置付けを基本に、生命誌研究館 中村桂子館長の「生命誌」を通して「生命」について考え、医師として具有すべき死生観の基礎を養う。また、医学の生命科学としての一面を含め、医育機関において学ぶ様々な学問(もののとらえ方や考え方)と社会から望まれる医療の在り方を考えることによって、よき医人になるための医学教育を受ける動機を確かなものにすることを目標とする。

本講を開講するために中村先生と山岸先生が執筆くださった『「生きる」を考え「生きている」を見つめる医療』と題する冊子を改訂して頂き、『「生きている」を見つめる医療(講談社 現代新書)』として出版されたものを教科書としている。「あとがき」には「・・・大阪医科大学の新入生・・・」と記していただいています。


病原体・生体防御1

当科目はいわゆる免疫学に相当するもので,吉田龍太郎教授(研究機構)が担当していましたが,平成25年度より当教室が担当することになりました。免疫は恒常性の維持に必要な機構であり,ヒトが病んでいる時だけではなく常時働いているものです。とくに自然免疫の重要性について述べながら,獲得免疫のメカニズム,そして免疫学的な考え方の応用まで教授します。


病原体・生体防御2

病原体には蠕虫・原虫・真菌・細菌・マイコプラズマ・リケッチア・クラミジア・ウイルス・プリオンがある。これらの病原微生物が人体に感染して生ずる病気が感染症である。病原体は増殖して細胞から細胞へ、環境や個体や集団へと伝播する点で、他の疾患とは区別される。医師はこれらの疾患を持つ患者を治療するとともに、その伝播を予防しなければならない。ここでは、既知の病原体の種類とその性質に加えてそれぞれが引き起こす疾患の概略を把握し、新興感染症を含む感染症全般を理解するために必要とされる基本的な知識と考え方を取得することを目的とする。


病原体・生体防御3

PBL(Problem-based learning)チュートリアルは学生が自ら「教員が提示したシナリオ(症例など)を検討する段階で、自分に不足している知識やそのシナリオに含まれる問題点を見出し、自ら知識を補い問題点を解決する」学習法です。学生は7~8名でひとつのグループをつくり、教員がチューター(グループ担当教員)として各グループに付き,議論を誘導することで,不足している知識に自ら気付き,能動的に学習する手助けをします。

当科目は平成23年度まではPBLチュートリアルコースとして運用していましたが,平成24年度よりプレチュートリアルコースとして,演習型授業をコースの最初と最後に行う形式に変更しました。

演習型授業では「大教室PBLチュートリアル」に準じた方式を採用し,おもに最初の週では,不足している知識に自ら気付き,勉学への意欲を増すことを目的とした演習をめざし,最後の週では,コースの講義・演習で得られた知識を問題解決に応用することで生きた知識に昇華することを目指した演習を行っています。